現在は情報化社会さらには知識社会と呼ばれているが、その社会にあっては知識を扱う教育は極めて重要である。基礎基本の学力と教育格差との関連について論ぜよ。また格差問題を解決するうえで教育方法はどのようにあるべきか。
市場原理に基づく構造改革とグローバル化が進む日本では、労働者の所得水準や雇用待遇の格差が開いている。
高度経済成長の恩恵を受けた1980年代までは、世界的に見ても比較的格差の小さい平等社会であり、人口の多い中流階層によって経済活動が支えられていた。このころにも、厳密には、多くの格差が存在し、ホワイトカラーの上級職の子どもは親と同じ程度の地位の職に就く傾向が認められていたが、頑張って勉強すれば良い職業に就けるという具体的な上昇志向が中流階層にはあった。また、所得水準の不平等を抑制する終身雇用制と年功序列賃金のような労働環境があり、一般的な正社員・主婦のパート・学生のアルバイト以外の雇用形態がほとんどなかったために雇用格差の問題が顕在化しなかった。
職業の種類からみても、企業のサラリーマン生活に上手く適応できない人も、大工・とび職・左官・料理人・美容師などの職人の世界や自営...