社会意識という言葉は私達の普段の生活にはあまりなじみがない。そこで私は社会意識論の入門書であると考えられる「社会意識を学ぶ人のために」(1998年発行)を読んで、そこで考察されていた現実社会の実例と、現在の社会とを比較して、社会意識を自分の身の回りで考えてみることにした。まずは本で為されていた議論を紹介しようと思う。
社会意識論レポート
「10年前の社会意識の考察と現在の社会意識との比較検証」
目次
・ はじめに
「ゆたかな国」の社会意識
日高六郎の指摘
「社会意識論を学ぶ人のために」の考察と現代社会との比較
考察
はじめに
社会意識という言葉は私達の普段の生活にはあまりなじみがない。そこで私は社会意識論の入門書であると考えられる「社会意識を学ぶ人のために」(1998年発行)を読んで、そこで考察されていた現実社会の実例と、現在の社会とを比較して、社会意識を自分の身の回りで考えてみることにした。まずは本で為されていた議論を紹介しようと思う。
・ゆたかな国の社会意識
1980年代後半以降のテレビドラマは社会意識の現在を考えるうえで恰好の素材を提供していた。とりわけ『東京ラブストーリー』(1991年)や『あすなろ白書』(1993年)に描かれた恋人たちの恋の障害に、社会意識の一端が見られる。その障害は貧困ではない。学歴でもない。家柄など問題にもならなかったし、思想問題が介入する余地もなかった。障害となったのは、ただ恋人たちのこころのあやうさ(主人公の優柔不断さ、焦点の定まらないやさしさなど)だけだった...