余暇の社会的役割
娯楽の社会的役割
一般の意味で娯楽とは「心を慰め、楽しむこと。また、そのような物事。笑い、喜ぶような楽しみ。」であるが、社会学者によれば、「遊びをそれ以外の行動と区別する基本的な特徴」は「全般に遊びがなんらの手段ともならない性格の行為である」ことだという。十八世紀の民衆の娯楽からはこの説とは逆の見解を提示することができる。それこそが、娯楽の社会的役割である。
遊びや祭りが日常とは違った世界を生み出すということはしばしば認識されてきた。遊びは、労働と忍耐と責任からなる日常の世界の現実感覚を、つかの間圧倒することができる。しかしそうした社会的経験は、普段の生活において行動を律しているさまざまな規範と密接に関係しているし、ときには互いに支えあう関係ですらあった。ある種の娯楽は、個人の行動を支配しているしきたりに抑えられ、普段は隠れている抑圧された欲求を、吐き出させるような働きをしてきた。大騒ぎの饗宴、痛飲、沸き起こる奇声や大声、性的規制の緩みは娯楽のもたらす諸特徴である。これらの行動はローマの酒神祭、大陸ヨーロッパやラテンアメリカにおけるカーニヴァルといった機会に目にされる。また、日本に...