社会保障と貧困問題についての関連というテーマから、本レポートでは救貧法をあげて述べる。
救貧法とは、イギリスにおいて貧民増加による問題を抑制するための一連の諸立法をさすものである。
14世紀頃のイギリスでは戦争や囲い込み運動などの要因で貧民が大量発生した。貧民が生きるために盗みを働くなどの犯罪が増加するなど深刻な社会問題となる。この問題に対応すべく貧民に対する圧政を強めたのが、ヘンリー8世による最初の救貧法である。この立法は苛烈な待遇が問題視された。
さらに深刻な状態となり、1601年に成立したエリザベス救貧法は近代社会福祉制度の出発点と評価される。特徴は国家単位での救貧行政という...