加齢による身体機能の変化と疾患について、QOLを重視した高齢者介護ついて考察する
QOLを重視した高齢者介護の工夫
【序論】
我が国の高齢化は他の先進諸国にも類を見ないほど急激に進み、2007年には高齢化率21%を超える「超高齢社会」となった。更に出生率は1970年代の第2次ベビーブーム以降減少傾向にあり、2010年の合計特殊出生率は1.39と少子化も問題となっている。それにより昨今の介護負担は増大し、2000年よりスタートした介護保険制度も見直しが検討されている(2012年4月、介護保険制度改正)。
少子高齢化が進み、介護がより身近となったいま、高齢者の特徴を理解し、対象者がより豊かな生活を送ることができるような介護の工夫が求められる。
【高齢者の特徴】
高齢者は加齢による様々な変化を受け入れなければならない。加齢に伴う身体的変化として主に以下のような感覚機能の変化が挙げられる。
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・視覚の変化
・聴覚の変化
・味覚、嗅覚等の変化
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・視覚の変化
加齢に伴う正常な視覚の変化として、皮膚のしわが視覚を妨げること、眼球沈下により上部を見上げるのが困難となること、毛様体筋の衰退により近距離での視覚障害が起こること、水晶体の変化により青色と緑...