道徳教育の研究
第一設題:「生きる力」の育成と道徳教育について述べよ。
「生きる力」とは何か?
第15期中央教育審議会第一次答申にて「生きる力」の育成という新しい教育の目的が提示された。「生きる力」とは次の三つの能力からなる。
自分で課題を見つけ、自ら学び、自ら考え、主体的に判断し、行動し、よりよく問題解決する能力。(確かな学力)
自らを律しつつ、他人とともに協調し、他人を思いやる心や感動する心など、豊かな人間性。(豊かな人間性)
たくましく生きるための健康や体力。(健康・体力)
自ら学び、自ら考えるなどの「生きる力」の育成するために作られたものが「ゆとり教育」であり、教育内容の基礎・基本の徹底や個性を生かすといった項目が2002年の学習指導要領に盛り込まれ、期待されていた。しかし、実際は学校週五日制のために授業時間の短縮で授業内容が三割も減少し、1999年以降、「学力低下」の問題を引き起こすこととなった。そのため「生きる力」の育成を求めて始めたものが「学力向上」へと変更されるようになった。その後、新学習指導要領の基本的なねらいは「生きる力」の育成と定め、各学校では、家庭、地域社会と...