第2設題:ジョン・ロックにおける子どもの教育論、特に習慣形成や賞罰法について考察せよ。
ジョン・ロックの教育論は一般に紳士的教育論と言われている。紳士(ジェントルマン)とは、健全な体と道徳と知識を持っているべきであるという考え方である。理性的に適した事柄にしか同意しないように、精神を正しくすることが教育において重要であると説いた。
身体面について、ロックは紳士の子どもも農夫の子どもと同じように、身体をできるだけ外気に曝し、寒暑に堪えるよう育てなければならないと述べている。軽い病気には薬を用いず、医者を呼ばぬこと、予防のためにも薬をのまさないこと、などがある。ロックは医者であるが、医術よりも自然のほうが大切である、と認めている。身体の鍛練も、無理な習慣をつけるのではなく、「人工」の衣服は出来るだけ捨てて、「自然」な裸の正体が望ましいと考えていた。
ジョン・ロックが考えた「タブラ・ラサ」(精神白紙説)では心の中には生まれながら刻みつけられた観念や原理などはないと書いてある。この考えに従えば、子どもは生まれた時は真っ白で何の概念も持っていない。子どもは成長するにつれて様々な概念を獲得す...