バイオロジカル・デンティストリー
歯科の領域が体全体の健康に与える影響はあまり知られていません。日本では、咬合を整えることにより体調が改善されることはよく知られていますが、歯に関する問題は咬合だけにとどまりません。EAVで測定していくと、健康に関する問題の多くが歯に関連していることが分かります。そして、ホメオパシーだけで治療することができるか、できるとすればどのレメディーを使うか、または歯科医による治療が必要になってくるのかもEAVで判断することができます。
歯科の領域で、体全体の健康に関わるものとして、次のようなものがあります。
○ 歯科金属の問題
・ 材質の毒性に関するもの(アマルガム)
・ 生体適合性に関するもの(アレルギー反応 etc.)
・ ガルバニック電流
○ ボーン・キャビティー(顎骨の空洞)
○ 根管治療
歯科金属のアマルガムについては、日本でもその毒性について考えられるようになり、その使用量は徐々に減少しているようです。アマルガムは虫歯の治療をしたときに詰めるもので、銀色をしているため、多くの人は銀と思っていますが、その成分の50%以上は水銀で、非常に毒性の高いものです。二昔前までは大量にしようされていたため、大部分の大人の歯にはアマルガムが入っていると思ってよいでしょう。
アマルガムの危険性について積極的に警鐘をならしているアメリカの歯科医師、ハル・ハギンス氏は、歯のアマルガムは有機水銀となって体内に取り込まれ、重大な健康障害を起こすと述べています。同氏によると、多発性硬化症の患者の90%以上はアマルガムを除去し、ホメオパシーによる処置をすることにより健康を回復したと語っています。アマルガムによるその他の健康障害には、表○のようなものがあります。
アマルガムが歯に入っていても、これといった異常もおきない人が大多数であり、過剰に反応する必要はないでしょう。しかし、私たちが水銀濃度計を使用して、アマルガムの詰め物をしている人の口腔内の水銀濃度を調べたときは、工場内の安全基準である○○ppmを超えている人もいました。原因不明の神経障害やアレルギー疾患を持っている人は、一度アマルガムの影響の有無を調べてみるとよいでしょう。 アマルガム以外の金属でも、生体適合性がない金属を使うと、食品アレルギー、慢性疲労症候群、頭痛、疼痛障害の原因になることがあります。
ボーン・キャビティー
歯根管または死んだ歯の中にバクテリアの排泄物による毒素が発生すると、その毒素は歯と骨の間に流れ込みます。つまり、歯周靭帯のところに毒素が蓄積され、咀嚼するたびに微量な毒素がまわりの骨やリンパドレナージシステムに浸透していくのです。抜歯された場合は、歯周靭帯が毒素に満たされたまま骨といっしょに残ります。標準的な口腔外科手術のプロセスがとられ、抜歯の後にソケットが残された場合は、ソケットの上の部分は口腔内の粘膜に覆われた状態で2ミリから3ミリメートルだけ治癒します。そして、その下はキャビテーションと呼ばれる空洞のまま残ります。
骨の治癒は骨が自分の周りを見まわし、空洞があるとみなした場合のみ起こります。骨細胞が自分の周りに歯周靭帯を見つけると、その骨細胞は歯がまだそこにあるとみなし、治癒しないか、治癒しても不完全なものとなります。抜歯された後、歯科医師は軟骨と1ミリ程度の骨を、毒素を含んだ歯周靭帯とともに、8番または10番のラウンドバーを使って取り除くべきです。
アシスタントは感染した骨を削っている間、常に滅菌水をバーの上に注いでいなければなりません。これにより、感染した骨の破片が吸引中のチューブに吸い込まれることになります。ほとんどの場合、これは3分から4分間で済ますことができます。もっと時間のかかる場合もありますが、その場合は、重大な健康の問題がある場合です。硬化性骨炎がある場合は、これも取り除かれなければなりません。さもないと、線維筋痛症のような症状が体のどこかに現れることになります。
歯科医が低速のラウンドバーで歯周靭帯及びキャビテーションを覆っている骨を除いているときに、アシスタントは12ccのモノジェットシリンジを使って十分な滅菌水または生理食塩水を注いでいなければなりません。削られて、口の中にある毒素を吸収したり飲み込んだりしないように、高度の吸引が必要とされます。
口腔外科的処置が終了した後、その部分はシリンジ2本から3本分の生理食塩水で洗い流し、次にカープール半分の非血管収縮性麻酔薬で洗い流されなければなりません。
麻酔薬は、麻酔のために注射をするのではなく、骨の治癒を促進するため、処置した部分を洗い流すためだけに使います。この方法は十分に水を流し吸引を行えば、けっして危険なものではありません。
歯周靭帯についてもう少し考えて見ましょう。なぜなら、それはほかにも問題を含んでいるからです。女性が出産するとき、出産に続いて後産があります。同じ考え方が抜歯にもあてはまります。歯は骨に直接固定されているわけではなく、歯の側の繊維と骨の側の類似の繊維が相互に絡まって固定されているのです。ハンモックのような構造が、私周靭帯と呼ばれるものです。抜歯されるときに、この靭帯が取り除かれないと、正常な治癒が起こらず、結果として穴が生じます。
前述のように、この穴はキャビテーションと呼ばれます。1996年に行われたリービーとハギンスによる調査によると、691例の抜歯のうち77%にキャビテーションまたは不完全な治癒が見られました。親不知がいちばん治癒の起こりにくい場所です。354例中313例にキャビテーションが見られました。キャビテーションは見つけるのが非常にむずかしいものです。数百例もの経験を積んでやっとX線の解釈ができるようになるのですが、それでもやはりキャビテーションを見つけるのはむずかしいものです。
このキャビテーションは、数ミリからセンチメートル単位のものです。キャビテーションの中にあるものは生体にとって非常に毒性があります。幸いなことに、この部分の血液の循環は非常に限られているため、それが治癒を遅らせたとしても、毒素が体の中に入るのは遅くなります。キャビテーションの毒素によって病気になる人はいますが、ほとんどの場合は最初に歯の治療した日からかなりたって異常に気がつきます。人によっては治療してすぐに反応を起こす場合もあります。
キャビテーションの毒素によって引き起こされる病気には、自己免疫疾患が多く見られます。多発性硬化症やルーゲーリック病などです。キャビテーションの部分をきれいにすることによって、自己免疫疾患が改善されることが多いようです。予備的な調査では、キャビテーションと病気の間の関連は間違いないことなのですが、社会に発表されるためにはより多くの臨床例が必要です。
キャビテーションのクリーニングの手順は、抜歯の後の手順と非常に似ていますが、キャビテーションの場合は、その部分の組織を切開手術し、キャビテーションのある骨を2から3ミリ、ドリルで穴を開けなければなりません。穴が正しく分けられた後、キャビテーション全体にアクセスするために必要なサイズの穴に広げられなければなりません。前述のように滅菌水を十分に使用し、キャビテーションから出てくる破片を取り除くために、充分吸引をしなければなりません。
根治療したすべての波が毒素に感染しているとは限りませんが、キャビテーションの場合は、100%毒素の存在が認めらます。骨を1ミリ取り除きその部分を2から3シリンジの滅菌水または生理食塩水で完全に洗い流します。次に、抜歯後の手順で述べたように、非神経収縮性の麻酔薬でその部分を洗い流します。
常に可能とは限りませんが、抜歯および私周粘膜の除去の前、最中、そして後にビタミンCを静脈注射すると非常に良い結果が得られることがわかっています。たとえ翌日であっても、他の医師のクリニックで静脈注射が行われるならば、それは非常に良いことです。