当該資料の評定A、資料の冒頭部分を以下に記載する。
1この「市民政府論」は、1690年の「国政二論」の後編部分にあたるもので、「市民政府の真の期限、範囲及び目的」と副題が付けられたジョン・ロックの著書である。
このジョン・ロックの市民政府論における社会契約論は、先に発表されていたホップズの「リヴァイアサン」における社会契約論との対比が重要となる。本問を論述するにあたっては、このホップズの社会契約論における「自然状態論」、「戦争状態論」と「政治社会の創造論」とを対比しつつ、政治社会の創造論の考え方から生まれることとなる「機関信託論」や「抵抗権・革命権」、さらには「法の支配」の確立について触れることとする。
課題
J.ロックの『市民政府論』における社会契約論について論述してください。
レポート
2011-G08-A-2 社会思想法
片桐稔晴
1この「市民政府論」は、1690年の「国政二論」の後編部分にあたるもので、「市民政府の真の期限、範囲及び目的」と副題が付けられたジョン・ロックの著書である。
このジョン・ロックの市民政府論における社会契約論は、先に発表されていたホップズの「リヴァイアサン」における社会契約論との対比が重要となる。本問を論述するにあたっては、このホップズの社会契約論における「自然状態論」、「戦争状態論」と「政治社会の創造論」とを対比しつつ、政治社会の創造論の考え方から生まれることとなる「機関信託論」や「抵抗権・革命権」、さらには「法の支配」の確立について触れることとする。
2まず、この市民政府論が記述された時代の状況を整理する。1642年からの「清教徒革命」によって、49年チャールズ1世処罰による市民の勝利、その後独立派のクロムウェルが他の市民組織を抑えて独裁体制を確立した。そのクロムウェルも58年に死去した後は混乱が生じ、60年に王政復古してチャールズⅡ...