沖縄に特有の文化である「グソーの正月」と「久高島信仰」についてのレポート(レジュメ)。文化の成り立ちから、現在に至るまでの形象のされ方、現代における人々の習慣をまとめた。
グソーの正月
◇グソーの正月とは
死んだ人々の正月という意味。十六日(ジュウルクニチー)とも呼ばれる。
・宮古島や八重山諸島では、お墓の清掃などをした後、墓庭で祖霊たちと一緒にご馳走を食べながらお祝いする。(沖縄の墓は「門中」という一族が共同で使う集合墓が中心)
・沖縄諸島ではお墓参りは簡単にすませ、午後からはミーサのあった親戚の家を訪問し、香典を捧げてお祈りをする。
十六日に島に帰れない人は、那覇港近くのミーグスク三重城などに集まり、故郷の墓へ向かってウトゥーシ遥拝を行う。
※ここでいうグソーとは「あの世」の意味。漢字では後生。
◇なぜ行われるようになったか
元旦から十五日まではイチミ(生身=生きている人)の正月。
神様がおいでになる神聖な時期 ⇔ 以降、グソーの正月=お墓参りなど不浄なことをする。
◇沖縄の生死観
・ウタキ御嶽…守護神の降りてくる場所。伝統的集落には二、三ヶ所以上ある。
・ニライカナイ …あらゆる生物の生命エネルギーの出所、帰り場所。
死者はグソー(あの世)に行ってからも十六日やお盆に帰ってきて、イチミと共に過ごす。
→あの世とこの世がはっきり二...