1400字程度のレポート。人間は生まれながらにして攻撃性を持ち、暴力的な衝動は本能的なものなのか?というテーマを論じる。フロイト、ローレンツ、バーコウィッツ、ロバートの説をそれぞれ比較し、なぜ現代社会では「キレる人間」や「カッとなってやった」殺人が多いのかを考える。
人間は生まれながらにして攻撃性を持つ生き物であり、暴力的な衝動は本能的なものなのだろうか。まずはいくつかの理論を見ておきたい。
フロイトは、人間は初めから攻撃的行動のプログラムを持っていると考えた。人間が生まれながらにして持つ死の本能、すなわちタナトスは自己破壊を目指す衝動だが、これが抑制されないと生命が失われてしまうため、死の本能のエネルギーは他者や外部に転化される。つまり、攻撃とは自己破壊的な死の本能を自己から外部に向けなおすことであるという理論である。一方ローレンツは、攻撃は人間が他の動物と共有している、生きることへの闘争本能から生まれるとした。しかし人間は他の動物と違って同類に対す...