パートタイマーの均等処遇について、現行法制の概要と問題点について論じなさい。
法は、労働者の国籍、信条または社会的身分を理由として、賃金、労働時間その他の労働条件について、差別的取扱いをしてはならないとしている(労基法第3条)。また、ここでいう「労働者」とは、職業の種類を問わず、事業又は事務所に使用される者で、賃金を支払われる者をいい(労基法第9条)、パートタイマーも労基法上の労働者である。
しかし、短時間の就労であることから、特別の規定が置かれている場合がある。例えば、年金、健康保険の加入については、常用的雇用関係にある者で、その事業所の通常の労働者の労働時間・日数の概ね4分の3以上であることが条件とされ、雇用保険においては、以前、短時間労働保険者という区分があった。
そのことが、正社員との格差を広げ、雇用の不安定化を招いており、問題の一つとなっている。それを受け、雇用保険法の一部が改正され(平成19年4月1日及び10月1日施行)、短時間労働者以外の一般被保険者と短時間労働被保険者の区分はなくなり、雇用保険の基本手当の受給資格要件は一本化された。また、パート労働法の改正によって、2011年をめどにパートの厚生年金加入範囲が拡大される動きがある。しかし、一方...