民法1(総則)

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時効制度の存在理由につき論じなさい。

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民法社会権利法律時効理由制度消滅裁判訴訟

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民法総則

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民法における時効とは、ある事実状態が一定の期間継続することにより、権利の得喪という効果が発生することである。この時効には、新しく権利を取得する取得時効(民法162条)と、もっていた権利が消滅する消滅時効(167条)とがある。

時効により、債務者は本来履行すべき債務を免れ、無権利者は得るいわれのない権利を得る場合がある。その反面、真の権利者は権利を失う場合もあり、憲法29条の財産権の保障の問題となりうることから、時効の存在理由が必要とされる。

また民法は、一定の事実状態が継続することによって、財産上の権利そのものの取得または消滅という効果が生ずることを規定する一方で、裁判所は「当事者の援用」によらなければ効果を生じないということも規定している。よって、これら規定の相互の関係をいかに矛盾なく理解するかが時効の存在理由を論ずる上で重要となる。

一般的に、時効の存在理由として、法律関係の安定、権利の上に眠る者は保護しない、証拠保全の困難の救済が挙げられる。

まず、法律関係の安定について、長く継続している事実状態を前提として法律関係が築かれるため、これを覆すと社会の法的秩序が不安定なもの...

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