資料:17件
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刑法各論 背任罪に二重譲渡
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背任罪と二重譲渡 【参考判例】最判昭和31年12月7日(百選?58事件)
一(1) XはAのために根抵当権を設定した不動産について、まだ登記がなされていないことをよいことに、Bに第一順位の根抵当権を設定し登記をしている。この点、Xは依然として当該不動産の所有権を失わないので、Xにとって当該不動産は「自己の占有する自己所有物」であるから、その行為が横領罪となることはない。しかし、民法373条によれば、Bに先順位が与えられることから、Aに生じた財産的損害との関係で背任罪の成否が問題となる。
(2) 本件について、はじめにAに対する背任罪(247条)の成否を検討し、次に、詐欺罪(246条)の成否を検討する。
二(1) 背任罪が成立するためには、?「他人のためにその事務を処理する者」(身分犯)が、?「第三者の利益を図りまたは本人に損害を加える目的」(目的犯)で、?「その任務に背く行為」(背任行為)をし、?「本人に財産上の損害を加えた」(損害の発生)ことが必要である。
(2) Xが?「他人のためにその事務を処理する者」の身分を有するか。まず、登記協力義務が性質上「事務」にあたることは問題ない。ただし、この義務はX自らの債務の履行でもあるので、「他人の」事務といえるのかが問題となる。
確かに、抵当権設定者の登記義務は一面で抵当権設定という自己の財産処分行為を完成させるものであり、その限りでは自己の事務という面もある。しかし、登記については共同申請主義が採られており、登記義務者の協力がなければ抵当権者が抵当権設定登記を完了し財産を保全することは不可能である。
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二重譲渡
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刑法各論 横領罪と二重譲渡
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二重売買と横領罪 【参考判例】昭和31年6月26日・☆昭和47年11月22日
一 Xの罪責について
まず、本問で問題となるのは、詐欺罪(246条)、横領罪(252条)、そして背任罪(247条)であり、以下これを順番に検討していく。
(1)詐欺罪については、行為者の「欺罔行為」により、相手方を「錯誤」に陥らせて「処分行為」をさせ、「財物又は、財産上の利益」を詐取することが構成要件となる。本件においてはX・A間の契約当初にはAを欺く故意が存在しないため、詐欺罪は成立しない。
(2)次に、横領罪の成立には、?委託信任関係にもとづく財物の自己占有、?財物の他人所有、?領得行為が必要とされる。
?(財物が自己占有であることの認定)
まず、横領罪が成立するためには、当該不動産がXの「占有」に属するものでなければならない。
横領罪は他人の物を預かっている者が誘惑に負けてその物に手を出してしまう、つまり処分してしまう犯罪であるから、横領罪の客体としての占有は、窃盗罪などの奪取罪における占有と異なり、侵害の客体としての占有ではなく、誘惑の対象としての占有、つまり処分できる可能性を有する占有でよいので、事実上の占有(事実的支配)のみならず法律上の占有(法律的支配)もそこに含まれることになる。
したがって、土地に対する登記名義を有しているXは、本件土地を占有しているといえる。
(委託信任関係の認定)
横領罪は委託信任関係を破る点に占有離脱物横領罪よりも重い法廷刑が規定されている根拠がある。
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中央大学 通信教育 2012年度 刑法2(刑法各論) 第4課題 合格レポート
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<課題概要>
A宅が留守であることを知った甲は、A宅に忍び込み、現金や金属類などを盗むことに成功した。その後、とくに行く当てがなかった甲は、しばらく居座りまた後で金目の物を探しだそうと思うに至り、とりあえず天井裏に身を隠すこととした。甲が天井裏に移動してから約3時間後に帰宅したAは、天井裏で不審な物音がすることに気づき、警察に連絡した。駆けつけた警察官は、天井裏の甲に気づき、逮捕しようとしたところ、甲はその警察官に、逮捕を免れようとして暴行を加え、加療3週間を要する傷害を負わせた。
甲の罪責を論じなさい。
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