看護学概論の基本事項のまとめ
看護
1 看護はあらゆる成長・発達段階にある個人とその家族、または集団を対象とする。
2 看護は人間関係を基盤として成立する。
3 看護はその人がその人らしくあるように健康の増進、疾病予防、安らかな死を支援することである。
4 看護は健康問題解決のために生活行動を支え、自立を目指す。
5 看護は専門職としての独自の機能とチーム内の調整の役割を担う。
人間
1 身体的・精神的・社会的・霊的な側面を持つ。
2 有機体であり個別的存在である。
3 環境との相互作用により変化・変容する。
4 常に成長し続ける。
5 個体維持機能と種族保存機能を持つ。
6 感情、理性、思考能力を持つ。
7 欲求を持ち、それを充足するための努力をする。
家族とは居住を共にすることによってひとつのまとまりを形成した親族集団である。
「産み、産まれる」関わりの中から生じた親と子の絆や、血縁集団を基礎とした小規模な共同体である。
同じ家屋に居住する血縁集団に限定することが多い。
現代日本では直系家族を中心とする単家族をさすことが多い。
家族機能:生産・労働機能(生活の維持)、再生産機能(子どもを生む)、養育・教育機能(子育て・教育)、扶助機能(介護)
課題:核家族の増加、共稼ぎ家庭の増加、子どもを持つことの価値観の多様化、養育・育児機能の低下、扶助機能の低下
健康
1 健康には不健康と病弱がある。
2 健康は環境との相互関係にあり、自分の能力が発揮できる環境を自分の中に作ることが出来る。
3 Negative health(患者本人が健康度を決定)とPositive health(医療者が健康度を決定)があり、Positive healthのほうが重視される。
4 「適応」と「価値の形成(実現)」の要素から生き生きとした健康が生み出される。
5 健康の三原則とは「健康の自己管理」「健康の自己責任」「健康の自己評価」をさす。
つまり、自分の健康は自分が責任を持って管理し、その為にすべきことも自分で決定する。健康かどうか評価するのは自分自身である。
生存権(日本国憲法)
全ての国民は健康で文化的な最低限の生活を営む権利を有する。
国は全ての生活面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上・増進に努めなければならない。
プライマリーヘルスケア(アルマ・アタ宣言)
健康の増進、予防、治療、リハビリテーションサービスを提供する
平等、社会正義、連帯、統合、尊厳の5つの原則に基づく。
リハビリテーションとは障害者の権利復権を指す。
ヘルスプロモーション(オタワ憲章)
人々が自らの健康をきちんと管理し、健康水準を自分で改善していけるようになっていくプロセス。
一人ひとりの技術を向上させることと、組織で協力することが健康づくりの大きな力になる
健康は自己実現の重要な資源の一つである。
ポジティブヘルス
健康にはNegative health(消極的)とPositive health(積極的)の2通りの考えがある。
ネガティブヘルスは「病気でない状態」が健康であるという考え方であり、病気を発見、治療し、罹患前の状態に戻すことで健康になろうとする。
ポジティブヘルスは自主的に「健康をつくる」という考え方であり、生活習慣の改善や、身体機能増進、休息をとることで、心身ともに健康になろうとする。