【設題】英語のpolitenessと日本語の「丁寧表現」を比較することによって、その類似点と相違点を具体例を通して明らかにしなさい。
あくまで参考資料としてご利用ください。
5~6ページ目は、参考文献と脚註に使用しています。
評価所見(A)は「英語のpolitenessと日本語の丁寧表現との関係が、具体例を交えながら詳しく論じられています。さまざまな文献にあたり、とてもよく勉強され、リポートに取り組まれた様子が窺えます。」でした。
英語のpolitenessと日本語の「丁寧表現」を比較することによって、その類似点と相違点を具体例を通して明らかにしなさい。
本論では、Brown & Levinsonのpoliteness論に依拠する。すなわち、人間には「他者に理解・共感されたいという欲求」としてのpositive face(以下PF)、「他者に邪魔されたくない、立ち入られたくないという欲求」としてのnegative face(以下NF)があり、この2つの側面を持つfaceを脅かさないように配慮する社会的行動が、politenessであると捉える。これをさらにpositive politenessとnegative politenessとに2分し、それぞれにいくつかの項目を設けることで考察を進める。
【1】negative politeness
i) 前置きを言って謝罪する
(1)「不勉強のため失礼なことをお訊きするかもしれませんが、あらかじめお許しください。まず家族療法のことでお訊きしたいのですが…」(天童荒太『家族狩り』)
(2)“Please excuse me but I don’t speak your ...