【設題】英語と日本語の文法構造または意味構造を比較対照し、両者の違いをデータに基づいて具体的に論ぜよ。
ちょっと変わったテーマを選んで論述しています。
参考の際には、その点ご留意ください。
5~6ページ目は脚註と参考文献に使用しています。
評価所見(A)は「本レポートでは語彙の意味範囲に焦点を絞り、一次言語資料と二次言語資料を用いて適切に論じている点で高く評価できる。テーマも独自性があり好レポートと言える。」でした。
英語と日本語の文法構造または意味構造を比較対照し、両者の違いをデータに基づいて具体的に論ぜよ。
映画『容疑者 室井慎次』(2005)のキャッチコピーは「He’s black? 彼は、クロか、シロか?」であった。 日本語を母語とする者にとっては、この文脈での「クロ」、「シロ」がそれぞれ犯罪の容疑者、非容疑者を意味することは自明である。しかしながら、併記されている英語表現”He’s black”(さらに暗には”He’s white”)は、制作者が日本語で意図したのと同等の意味を、本当に有しているのであろうか。
まず、日本語の「黒」、「白」の意味を改めて確認する。「日本語Word Net」によれば、「黒」とは、「(1)最も明るさのない(最も白ににていない)無彩色の性質、状態(2)犯罪を犯した、あるいは犯罪の有罪判決を受けた人」である。「白」はこの反対の意味をもつと考えてよい。すなわち、第一義が最も黒に似ていない無彩色の性質、第二義が犯罪を犯していない人である。
(a)「教師は僕のことをクロだと睨んでいたようです。彼らはボクシングのジムに通うような人間は多かれ少なかれ不良…」(村上春樹『レキシ...