佛教大学通信課程、日本国憲法のA評価レポートです。
レポート作成の際、参考までにご利用ください。
設題「法の下の平等について」
個人の尊厳を基盤とする市民社会が成立する近代に入ると、専制主義を否定し、国家権力によって国民が無制約に規制されてはいけないという主張が広がりを見せるようになる。結果、近代国家における憲法は、統治権力に法的根拠を与える根本法という側面と同時に、国家権力に一定の制約を加える内容をも含むようになった。このような立憲主義の思想に基づく憲法は、十七世紀の近代革命以降、近代国家が持つ当然のものとして確定されていった。
しかし、自由主義国家における「国家からの自由」の強調は、多数の社会的弱者の犠牲の上で、一部の強者の利益が保護されているような歪さを、社会の発展と共に顕在化させていった。そのため、二十世紀に入ると、近代的意味での憲法に修正が求められるようになる。
近代国家にあっては、封建的身分制度から人々は解放され、自由な経済活動を行うための条件は整えられたものの、結果としてそれは貧富の差を拡大させる結果となる。それは、保障される自由や平等が形式的であるために、実質的には不自由や不平等をもたらすことになったと言えよう。その歪みを是正するためにも国家権力の積極的な...