英語文化の成り立ちにおいて、外国語として規範に則って学ぶ英語と、そうでない多様
な目的で発展した英語との相違は想像以上に大きい。(テキスト、p.21)世界のそれぞれの
地域における英語文化の成り立ちについて以下に記述する。
David Crystal の三重の円(同、p.22)を用いると、英語を話す人口を3つのグループに
分けている。
まず、英語を母国語として話す国(アメリカ、イギリス、アイルランド、カナダ、オー
ストラリア、ニュージーランド)がある。その人口は3億2千万から3億8千万人である。
当然、生まれながらに英語を見聞きし、親を真似、第一言語として身に付け、学校で文法
や発音、表現などを習い、母国語として修得する。しかし、彼らの英語でも様々な方言が
あり、発音から表現方法に至るまで、地域差も大きい。さらに、イギリスのような社会的
階級がはっきりしている国では、方言に加えて社会的方言というものもある。また、学校
で習うといっても、日本ほど均一に一定水準の教育が受けられる学生ばかりではないため、
母語といえども、明瞭な発音で完璧な文法にかなった話し方は期待できない。
次に、英...