世界語となりつつある英語の普及のためにはどのような主体的方向性が必要となるか。また英語力をリア
ルに身につけていく上で「ドクサ」からの解放とは何を意味するのか。さらに日本人における母語と外国
語との関連についても要約的に述べよ。
日本は、植民地化され実務上必要に迫られ英語を使用した歴史もなければ、第二次世界
大戦敗退後に英語を公用語とする要請も受けなかった。小さな島国で、地域による方言は
あっても、隣の人が全く別の言語を話すかもしれないと配慮する経験はほぼ無く、言語の
違いにおける内乱など考えにも及ばない民族である。また、中学校から大学まで英語を規
範に則って学んでいたにもかかわらず、使いこなせないという社会人が実に多い。しかし
現代のグローバル社会において、英語をコミュニケーションツールとして多くの国々と積
極的に交流することが求められている。日本において英語の普及のためには以下のような
主体的方向性が必要となる。
まず、聞き返す、聞き返される強いメンタリティをもつことである。英語を母国語では
なく公用語として話す国々の人は、英語を「彼らの伝統を担う言語」としては扱っておら
ず、...