第1設題:マックス・ヴェーバーの社会学の性格について述べよ。
ヴェーバーは、普仏戦争の勝利によって統一されたドイツで市民層の政治家の息子として育ち、そこで彼はどうすればドイツが民主化・産業化した近代社会になりうるかを考えた。彼の問題意識は、ひとことで言えば、自らが生を受けた「近代ヨーロッパ文化世界」とはいかなるものか、これを問うということであった。「近代ヨーロッパ文化世界」では、あらゆる領域において徹底的な合理化が進んだが、そのひとつのあらわれが近代資本主義であった。そのシステムはきわめて合理的でありながら、かえって合理的であるがゆえに、普遍的な隷属の装置となって人々を資本主義システムのなかでがんじがらめにしている。このような運命として抗いがたく目の前に屹立する「近代ヨーロッパ文化世界」は、いったいいかなる歴史的社会的条件の連鎖によって生み出されたのか。まずここを明らかにしたうえで、「近代ヨーロッパ文化世界」を内在的に批判していこうという試み、これがヴェーバーが生涯をかけてやろうとしたことだといえるであろう。
ヴェーバーは、社...