※このレポートは、玉川大学通信教育部・科目名「倫理学概論Ⅰ」平成23年度課題の合格済レポートです。
教員による評価・批評は以下の通りです。
<課題>
1、社会規範における道徳・習俗・法・宗教の関係を1200字程度でまとめよ
2、倫理学は人生論的諸問題とどのように関係しているかを1200字程度でまとめよ
<評価>
B(合格)
<批評>
2はよい着眼です。
ただし、カントは実はものすごく具体的な問題を念頭においています。
このレポートでは、まず、社会規範における道徳・習俗・法・宗教の関係についてまとめる。
次に、倫理学は人生論的諸問題とどのように関係しているかをまとめる。
<1、社会規範における道徳・習俗・法・宗教の関係>
社会規範とは、人間の行為を統制する人間行為の規範であり、習俗・道徳・法・宗教のことを指す。これらの関係は、習俗がその形式を残しつつ道徳と法に分化。道徳を超越するものとして宗教が存在している。言い換えれば、習俗が道徳と法の先行形式であり、宗教は道徳を超越した関係である。
習俗は、道徳や法の母胎である。やがて一方では道徳へ発展し、他方では法律や法制度へと発展する。分化する一方で、習俗は習俗として、分化した後においても、衣食住における基本的伝承、冠婚葬祭における社会形成的伝承、年中行事や祭りにおける厚生的文化伝承として、習俗は道徳や法と並存している。
また、習俗的段階の経験は道徳への前段階であることから、予備教育としての機能を持っていると言える。時代の推移とともに少しずつ変化していく性質のある習俗であるから、予備教育の意味では、習俗の評価や修正を適宜行う必要がある。このように、習俗は道徳...