「死」をめぐる諸問題―日本人の死生観―

閲覧数5,296
ダウンロード数13
履歴確認

    • ページ数 : 6ページ
    • 会員770円 | 非会員924円

    資料紹介

    近年、生死をめぐる問題は益々脚光を浴びつつある。それらの問題は、自殺・犯罪・医療倫理など多岐にわたって存在している。生活の質というものを考えたときに、生死の価値観を考える事は避けられない。このような生死の価値観を宗教的あるいは文学的な詩的表現で片付けるのではなく、生きとし生ける者が滅亡に向かって生きているという事実の中から、我々が現在何を考え、何を見つめようとしているのかを明らかにしていきたい。

    タグ

    死生観宗教仏教

    代表キーワード

    仏教宗教

    資料の原本内容 ( この資料を購入すると、テキストデータがみえます。 )

    「死」をめぐる諸問題

    ―日本人の死生観―

    はじめに

     近年、生死をめぐる問題は益々脚光を浴びつつある。それらの問題は、自殺・犯罪・医療倫理など多岐にわたって存在している。生活の質というものを考えたときに、生死の価値観を考える事は避けられない。このような生死の価値観を宗教的あるいは文学的な詩的表現で片付けるのではなく、生きとし生ける者が滅亡に向かって生きているという事実の中から、我々が現在何を考え、何を見つめようとしているのかを明らかにしていかなければならない。

     現代を惟みれば自然を克服する科学技術の高度化に反比例して環境破壊が進み、人類は生存の危機に日々近づいている。いのちに永久ということはあり得ない。それゆえに人間は古来より「永久」を求めて不老不死について考えてきたのであり、今日「アンチエイジング」という言葉に注目が集まるのはその延長にあるといえる。これらは人類が存在し続ける限りつきまとうテーマの一つだ。

     もちろん私たちは、不老不死などあり得ないということは承知している。この世に生まれ、老い、病に倒れ、死ぬという流れは自然なことであるとも理解している。そうした自然のあり...

    コメント0件

    コメント追加

    コメントを書込むには会員登録するか、すでに会員の方はログインしてください。