法は、一般的・抽象的規範であるため、具体的事実に当て嵌めて運用する法の適用を行う必要がある。法の適用は、具体的事実を確定する事実の認定と、確定した事実に法の当て嵌めを行う法の解釈によりなされる。
事実の認定は、人的証拠と物的証拠という二種の証拠に基づき行われる。ここで認定された事実は、適用される法や結論にも影響を与えるため、事実認定は重要な段階となる。
法の解釈とは、確定した具体的事実に当て嵌まる法を見出して、その法を解釈し、その意義を確定して、その法を適用することをいう。一般には、成文法を中心とした実定法に含まれる法規範の意味を明確にすることをいう。
法形式の中心が国家制定法である場合、法規の解釈が要求される。そこで、現行法規の意味を考察する法解釈学が発達した。法解釈学は、概念法学的解釈学と、自由法論的解釈学の2つの立場の学説が対立する。
概念法学的解釈学は、成文法規が万能で完全であるという概念を前提として、形式論理的に解釈適用する。その目的は、法的安定性の確保にある。裁判官による法規範の創造が許されないため、予測可能性と法的安定性に優れ、公平な法解釈の運用を図ることができる。そ...