中央大学 通信教育 2012年度 民法5(親族・相続) 第4課題 合格レポート

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    1.相続回復請求権の意義
     表見相続人が真正相続人の相続権を否定し相続の目的たる権利を侵害している場合に、真正相続人が自己の相続権を主張して表見相続人に対し侵害の排除を請求することにより、真正相続人に相続権を回復させようとするものをいう。相続回復請求権が行使されると、真正相続人が相続開始の時に遡って相続財産上の権利を回復することとなる。
     そして、民法884条は、表見相続状態の継続による取引の安全を考慮して、相続回復請求権の短期消滅時効を定めている。すなわち、相続回復の請求権は、相続人又はその法定代理人が相続権を侵害された事実を知った時から5年間行使しないときは、時効によって消滅するとする。相続開始時から20年経過したときも、同様とする(884条)。
    2.法的性質
     ここで、相続回復請求権の法的性質について、相続請求権が個別的請求権の集合か、別個独立のものかという議論がある。
    相続請求権は、相続権を基礎にして相続人の地位そのものへの侵害を排除する特別な請求権であるとする独立説がある。この説を論理的に貫くと、相続権さえ立証すれば個別的な権原の主張・立証をしないで回復請求ができることになる...

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