かつてのECを基盤とした今日の「EU」連合について、地理的な視点からその特徴を説明しなさい。記述する際には、加盟各国の実態が理解できるような内容とすること。(参考文献を複数取り上げることが、提出の条件である)
現在、EU加盟国は発足時の倍以上の27カ国である。サブ・プライム問題が世界中を震撼させる直前まで地理的・民族的に多様性に富むEUの政策は、各方面から賞賛されてきたが、その一枚岩にもひびが生じてきた。
欧州連合(EU)の基礎となったのは1952年に設立された欧州石炭鉄鋼共同体(ECSC)、1958年に設立された欧州経済共同体(EEC)および欧州原子力共同体(ユーラトム)の3つの共同体である。1967年に3つの共同体の行政執行機関と意思決定機関がそれぞれ統合されて欧州共同体(EC)が生まれた。統合により生まれたECの単一行政執行機関がEC委員会である。1993年11月にマーストリヒト条約が発効したことによって、従来のECの役割のほか、「共通安全保障政策および司法・内務協力」を加えたEUが誕生したのである。
次に地理的特質であるが、欧州連合(EU)の「欧州」とは、いったいどこの地域を指しているか、赴任校の社会科の授業でたびたび議題となる。一口に欧州といっても、世界をどのような視点から見るかによって、その答えは違ってくる。ヨーロッパはユーラシア大陸のうち、ウラル山脈とカスピ海、黒海、ボスポラス...