国語科教育に於ける不易流行の視点から、伝統的教材観と、新時代に対応した新たな教材の可能性についてそれぞれ論じなさい。
国語教育に於けるイノベーションとは、字のごとく、教育の発展に寄与する革新的な手法である。新しい教材や教授法を開発し、教育現場で実践しながら内容を昇華していくことを指している。教材開発は学習者の習熟度や実態に即して開発していかなければならないが、必ずしも「新しいもの」をむやみやたらに取り入れていくのが正しいのではない。いかに生徒が楽しく学び、力を付けることができるか、を第一に考えなければならない。
サブカルチャーを取り扱った教材は、生徒の興味・関心をひくためだけのものではなく、国語科に於ける学習のねらいと合致する教材であることが求められる。また国語科教育には歴史と蓄積があり、優れた先人の教育法が多く取り上げられている。不易と流行のバランスを取りながら、学習者である生徒の実態に即した指導法を柔軟に選択・実践していくことが求められる。
次に、伝統的教材観と、新時代に対応した新たな教材の可能性について、学習指導要領の領域・事項に沿いながら以下に述べていく。
一 話すこと・聞くこと
IT技術の発達により、日常生活における様々なやり取りが、対話せずにできるようになってきた。一見、利便性の向上ではあ...