中等国語科教育における指導の実際について、中学校と高等学校の相違点をA~D項目のそれぞれに亘って述べなさい。
中等カリキュラムに於ける国語科の役割は、言語力や読解力の育成である。どちらも日本語の「読む」「書く」「聞く」「話す」の能力であるが、日常生活には欠かすことのできない基礎能力であり、国語科だけではなく、すべての教科に於いてもその育成が求められている。国語科はむしろ、積極的な言語意識を育て、言語活動を鍛錬する場であると言える。
国語科で学習する文学教材は、学習者の年齢段階や発達段階に応じたものを選定することが重要である。中等国語科教育は、小学校で獲得した国語に関する技能や世界観を昇華させ、生涯学習につなげていく一貫教育である。改定された中学校と高等学校の学習指導要領では、「話すこと・聞くこと」「書くこと」「読むこと」「伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項」の三領域一事項を定めており、中学校の指導内容から高等学校へ指導内容がステップ・アップされている。指導内容に於ける中学校と高等学校の相違点を以下に述べる。
A 話すこと・聞くこと
話すこと・聞くことによる能力の獲得は、社会活動を円滑にし、個人の日常生活や生き方を向上させることにつながる。中学校に於ける聞くことの指導として、「聞きわ...