第一設題:ペスタロッチーの教育学(直観の原理など) について考察せよ
『私の経験によれば、すべての命題が直観的な意識ないし実在関係に固く結びつけられた経験の意識によって、真理として彼らに現われるかどうかに一切依存する。』(ペスタロッチー,1959,p61)(注*1)ペスタロッチーは子供には将来発展する素質がそなわっており、それを正しく内側から発展するように助成するのが教育の役目であると考えている。真への意識、美の感情、善の力、これらはすべてこどもがうまれながら有している。それはまるで植物が発芽して成長し花をさかせ実となっていくように有機的であるというのだ。そして、そのこどもの内的素質を重視するという点で有機的、自発的に成長を促している点で発生的であると提言しているのである。これはジョン・ロックの、子供はうまれたときは観念や原理などは備わっていない白紙の状態とする考えとは相反するものである。また、ペスタロッチーは「探求」において、人類の進化を①自然的状態、②社会的状態、③道徳的状態の三つに分けている。はじめに、無邪気さがあらわれる。次第にそれが我欲に変化していく。そしてそれ...