文学のリポートでモーパッサン「女の一生」について記述した。
モーパッサンの「女の一生」では、結末の女中ロザリのひと事が、全体を象徴している。「世の中って、ねえ、人が思うほどいいものでも悪いものでもありませんね」
要は良いこともあり、悪いこともまたあり「禍福はあざなえる縄の如し」の様に、自分の人生において考えてみても、良いこと、悪いことが平等にやってくるものだ。何が幸いするのか、結局全体を通してみないとわからない事は多い。
1.小説の舞台となった風景
ここで、モーパッサンの小説の舞台となった田舎の町の風景は、彼の生まれ故郷である、フランスはノルマンディ地方の海辺の様子が背景となっている。その自然の美しさや季節の移り変わりが、見事に生かされている。木々や植物、太陽の光線、輝く海、そして荒れ狂うような黒い雲などの表現が、誠に美しい。
「ポプラの大きな並木の陰に一部分隠れている真紅の雲の峰が、目をさました大地に血のような光を投げていた。」・・・ただしここの翻訳としては、「血のような」は表現が綺麗でないので、「鮮やかな真紅の」方が個人的に良いと思う。
2.人物の描写について
それと、主人公ジャンヌが夢想家であることや、すぐ泣き出してしまう...