言語学概論
第一設題
言葉の意味が脈絡によって異なる場合を、例をあげて説明しなさい。
言語には多義性を含むものがある。strikeには「打つ」と「ストライキ」の意味があるが、前者が打つ動作そのものであるのに対し後者は「労働者が賃上げを要求して器具を叩く」という派生の意味を指す。このように言語には多義性が含まれているものもあるが、多義性を含む言語はその用法から意味を判断することができるものが多い。
言語学概論
第一設題
言葉の意味が脈絡によって異なる場合を、例をあげて説明しなさい。
言語には多義性を含むものがある。strikeには「打つ」と「ストライキ」の意味があるが、前者が打つ動作そのものであるのに対し後者は「労働者が賃上げを要求して器具を叩く」という派生の意味を指す。このように言語には多義性が含まれているものもあるが、多義性を含む言語はその用法から意味を判断することができるものが多い。
発話の面からもこの多義性を見ることができるが、その性質は言語そのものの多義性とはやや異なる面がある。脈絡とは一貫した筋道、つづき、論理の構造をたどることが可能な一連の過程のことを指す。脈絡によって意味が異なる例として、一つの文の構造上から、つまり統語的にはそのように決定できる要素がない場合である。
1:個人を特定できない名詞で表現されている場合
宗哲先生は、急な患者の往診で石原町まで出かけたという。医生の大村謙次郎が、大治郎へ、
「若先生。あの和尚さんは、もう二、三日、このままにしておいたほうがよいと、うちの先生が申されておいでですよ」
(池波正太郎「剣客商売」より)
この文章だけをみると宗哲...