設題→法の下の平等について
法の下の平等について
1889年2月11日、大日本帝国憲法が発布された。いわゆる明治憲法である。明治憲法は天皇を神とする神権的な絶対主義の原理の上に立ちながら、一方では近代憲法の諸原則を微妙に混在させた点できわめて特色のある憲法である。
近代憲法は民主的な自由と平等を原理とするが、明治憲法は国家体制が天皇を主権とする絶対主義であることと矛盾している。明治政府は強大な政治権力の確立と一方で自由民権運動などの世論を無視できないという面があったといえる。
この大日本帝国憲法は1945年、昭和20年の第二次世界大戦の日本の敗北まで変えられることはなく、自由からはかけ離れた軍国主義に利用されたといえる。
アメリカなどの連合軍のポツダム宣言(1945年7月26日)を日本政府は8月14日に受諾した。この宣言のうちには、「日本国民の間における民主主義的傾向の強化に対する一切の障壁を除去し、言論、宗教及び思想の自由並びに基本的人権の尊重が確立されるべきこと」などの要求が含まれており、日本の政治が民主・自由・平和の方向に改革されねばならないことが示されていた。それを受諾したことは、この方向に国政の...