※2000字程度 こちらの資料は参考文献をもとに作成されたレポートになります。あくまで参考用としてお使いください。
企業とは「財やサービスを継続的に提供することを通じて利益を獲得することを目的とする事業体」であるから、企業経営の目的が利潤の追求にあることは当然である。しかし、利潤の追求だけを目的としてよいのか、利潤以外の目的や社会的責任をどの程度重視するべきかについては様々な立場がある。そこで日本企業に広く採用されている経営上の概念としての「日本型経営システム」の特徴とその変容をみていきたい。
従来、日本企業の経営理念や社是・社訓などにおいてよく用いられてきた概念として、「輪の重視」、「人間尊重」、「品質重視」などがある。「和をもって尊しとなす」というのは、日本社会に通ずる伝統的規範といえるが、欧米組織に多くみられる契約型の組織とは違い、日本のような所属型組織の中では、長期に渡って固定的なメンバーと仕事を続けるような状況においては、調和的関係を維持することが優先されるのは自然なことではないだろうか。そのため、建前としての平和主義、年功序列の社内秩序、組織全体の合意形成を図ることを中心としたコンセンサス重視の組織運営などが生まれたのである。
しかし、近年ではグローバルな競争の激化、大幅な規制緩和、...