違憲判決の効力について論ぜよ。
日本国は、憲法に基づいて政治を行うという原則の立憲主義である。政治権力を担当する者も憲法に拘束されることになる。日本国憲法の最高法規性の根拠であり、違憲審査制はこの原則の担保でもある。よって、憲法に反する内容の法律、命令、規則、処分が行われてはならない。法律とは、形式的意味の法律であり、国会の議決によって制定されたすべての法形式をいい、裁判所の違憲審査の対象として、最も重要な意味をもつものである。命令とは、広義では、立法機関以外の国家機関によって制定されたすべての法形式を指すが、狭義では、行政機関によって制定された法形式を指す。規則とは、議員規則、最高裁判所規則、会計検査院規則、人事院規則などである。また、地方公共団体の議会が制定する条例及び、その長が制定する規則も含まれる。処分とは、個別的具体的な法規範を定める法形式をいい、行政機関・立法機関・司法機関による処分である。すべての裁判所は、それらが憲法に違反していないかを審査する権限、違憲立法審査権をもつ。また、最終的な合憲性の判断は最高裁判所(終審裁判所)が下すことから、最高裁は「憲法の番人」と呼ばれている。
その裁判所の下した違...