日本文学史1

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    (1)上代、中古、中世、近世の文学の特質を、それぞれの時代の特性をふまえつつ、下記の諸作品を例にして具体的に説明せよ。〈古事記・万葉集・古今集・女流日記・(女性によって書かれた日記)・源氏物語・平家物語・徒然草・近世小説〉
    一、上代の文学
     大和政権による全国統一が成り、律令国家が成立した時代である。政治・文化の中心は、飛鳥・藤原京・平城京などを主に大和地方(奈良県)にあった。遣隋使(小野妹子ら)・遣唐使の派遣による漢字の伝来により、万葉仮名などの表記法が考えだされ、これまでの口承文学から記載文学へと変わっていく。政権の安定と正統化を意図した大和政権は、諸国の氏族を皇室の配下に位置付ける形で史書・地誌の編纂を行った。『古事記』『日本書紀』『風土記』などがそれにあたる。これら古代歌謡は、多方面にわたる生活感情がさまざまな歌体で豊かに歌われている。後に、統一国家形成の過程で、人々の生活は共同体的なものから個的なものへと移り変わっていく。うたも、集団でうたう歌謡から個人の感情を詠む和歌へと性格を変えてゆき、歌集も編まれるようになった。現存する最古の歌集は『万葉集』である。
    ・古事記
     編者は...

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