W0101現代福祉社会論 最終試験

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    資料の原本内容

    W0101 現代福祉社会論 ・市民の活動・事業としての社会福祉の三つのタイプとその意義について述べなさい。
    ①共同事業
     共通した要求やニーズによって当事者や市民が開拓的に共同事業を興すもので、共同保育、共同作業所などがこれにあたる。
    このタイプは、活動療育の政策化・制度化や事業への援助、世論の喚起など福祉運動に結び付いていくことが通例で、その事業を制度のもとでの活動・事業に発展させることを目指すものもでてくる。
    政策化・制度化されていないということは、行政はもちろん市民においてもその問題の存在が十分に認識されていない。そのため、財政的支援と学習活動の双方の意義がある。
    ②地域の新しい共同活動
    地域生活における共同を活性化、再生する福祉活動である。ボランティア活動、住民組織の地域福祉活動がこれにあたる。
    家族規模が縮小した生活課題に対応できない状況である、今日の社会において、地域の共同を強化・再生する取り組みは、教育や文化、環境保全の分野でも重視されている。そのため、現代生活様式のもとで、現代生活に応じた新しい共同が、自覚的な市民のなかからつくりだされたのが、この共同活動である。
    これは、現代人の働き方や生活様式を問い直す視点を持っており、意義を持っている。
    ③非営利・共同セクター
    これは、社会福祉制度の中でのサービス供給や組織的な社会福祉活動を担っているものである。
    非営利・共同とは「営利を目的としない事業体や活動が共同して一つのセクターまたは流れを作る運動」と理解されている。その組織は、社会福祉法人、医療法人、学校法人、財団法人、社団法人などの公益法人、協同組合、NPO、市民公益活動に限定される。
    協同組合セクターは、組合の出資、利用、参加の3つを結合させていくので、主人公としてとらえるものである。これは分業化された社会福祉は陥る危険性がある温情主義や専門主義を克服する実践を展開する可能性を持っている。
    NPOでは、コミュニケーション・交流の場づくりや当事者の組織化、調査・研究機能や関係者のネットワーク化、地域の要求・ニーズの掘り起こし、政策提言など独自の役割の展開が期待されている。
    ・社会問題としての貧困問題と生活問題について説明しなさい。6月午後 7月午後
    社会福祉の対象である貧困問題は、所得が低く生活の維持に必要な消費ができない状態や、それにともなって生活が崩壊していく状態をいう。社会的・標準的な生活の維持ができない明らかな貧困だけではなく、一定の所得と一定の消費水準を保ちながらも、なお生活の維持が困難な現代的な貧困状態がある。
    社会的に班場強制される消費水準を維持するために、それまで働いていなかった家族の就業、長時間労働やダブル就労を行い、借金・ローンによより、食費・光熱費などの基礎的支出をおさえている硬直的な家計構造のもとにある生活のことを言う。
    現代は、お金のかかる生活様式の拡大、地域の共同性やコミュニティの弱体化、情報化の発展のがある。社会的・文化的な問題状況に飲み込まれた生活態度や生活意識から脱却できず、虐待やネグレクト、家庭内暴力、無計画な消費と借金、役割の無自覚、モラルの低下、社会関係の拒絶などの生活問題がある。
    生活問題は、これを類型化すると①生活の内容―生存・生活の維持・再生産が危うくされる問題状況、一定の消費水準を維持しながらの生活苦、有害・欠陥商品などの消費者問題、②生活の社会的共同消費手段の立ち遅れやゆがみによる問題、③家族、地域という生活単位のなkでの共同に亀裂が生じたり失われたりする問題、④生活主体の生活意識・生活態度に問題状況、にまとめることができる。
    ・「生活の社会化」について説明し、国民生活の安定の観点から望まれる「生活の社会化」のありかかたについて述べよ。 12月午前
    「生活の社会化」とは、生活の維持・再生産における生活と社会との関係を示すものである。
    「生活の社会化」は資本主義社会のある段階や場面に限定された傾向ではなく、資本主義の発展とともに法則的・必然的に人間生活を貫くもので、資本主義の矛盾を乗り越えた社会体制になっても進んでいくものであると考えられている。
    生活の社会化と社会福祉の関連を見ると生活の社会化が先に進み、社会福祉の公共化・共同化がなされたわけではない。
    生活の社会は、社会福祉の今後の発展を示唆する法則である。
    資本主義は必然的に貧困や低所得や生活困難という問題を広げるという側面がある、また、共同性に基づくサービスや援護機能にかける生活状況を広げるという側面もある。
    生活の社会化は、生産力の発展によって続いていくため、社会福祉の役割は小さくなるのではなく、むしろ発展する。衣食など基本的な生活要求の充足を行い、さらに個人的嗜好を楽しめる生活を享受するためには「商品かとしての社会化」の発展は必要である。しかし、貨幣関係による社会化であるために、それだけではゆとりある生活、安定した生活は可能にならない。それは、市場化に生活が追い立てられるからである。
    国民生活の安定化のためには、「商品かとしての社会化」に肥大化しすぎずに、「公共化としての社会化」が実施的に生活を支えるまでに発展し、「協同化としての社会化」がそれらを補完することによって、生活の安定、ゆとりある生活が可能になっている社会ということができる。それは生産の社会化、労働の社会化を背景に、労働者・市民が社会的に生み出されたとみの公平で平等な再配分を求める民主主義の力と運動によって可能になると考えられている。
    ・自由権の意味とそれが人間生活にもつ意義を述べなさい。 H21-5月午前
    自由権は、基本的人権の一つであり、国家から制約ないし強制されずに、自由に物事を考え、自由に行動できる権利のことをいう。古くはイギリス権利章典・アメリカ独立宣言・フランス人権宣言で謳われ、今日まで続く歴史を持つ。内容は人間の自由のすべてに及ぶゆえ、その一覧を作ることはまず不可能である。自由権は、人権の中でも特に重要な人権とされる。
    日本国憲法においては、内容は経済的自由権、精神的自由権、人身の自由に大別することができる。精神的自由権には、思想・良心の自由や信教の自由、表現の自由、学問の自由などが含まれる。経済的自由権には、職業選択の自由や営業の自由、財産権の保障が含まれる。人身の自由は、奴隷的拘束の禁止や不当逮捕などの禁止による被疑者・被告人の人権保障(罪刑法定主義・適正手続)などからなる。
    この自由権は、資本主義社会の成立の条件であり、人間生活に大きな意義を持っている。
    一人一人の人間が、何者も恐れず自分らしく生活できること、自己実現を追求できることを意味しています。
    このように、自由権は人間生活に大きな意義を持っているのである。
    ・現代の生活を生活様式、生活の社会化の視点から説明しなさい。 H21-6月午前 (生活様式の視点から課題)
    現在生活様式の特徴として、第一に低賃金・長時間労働があげられる。
    高度経済成長の背景には、「大衆の消費を相対的に低く抑えておいて、国民所得のできるだけ大きな部分を資本蓄積へと振り向けてきた低賃金・低福祉の体制」がある。
    第2に社会保障や公共サービスの低水準と増大する負担がある。
    日本は、高度成長の中で農村から都市への労働力人口の急速な移動が起こり、そのため急速な都市化と過疎化が進行した。そのため人々は地域の共同性から切り離され、家族規模も核家族に縮小した。こうした労働者家族は社会保障・社会福祉や公共サービスの支えなしに、生活を維持することはできない。保健・医療制度や保育所、福祉施設、学校、学童保育、図書館、後援・遊び場その他の生活資本が必要である。その結果、労働者家族は生活の個人的防衛に向かわざるを得ない。労働力が中心の生活であるため、いざ、労働が成り立たない場合に、生活は不安定になるため、民間の保険に加入しなければならないような生活である。
    第3に、女性の賃労働者かと家計のローンへの依存である。
    家族賃金モデルは、家父長制的家族関係を残存させ男性優位の関係性や家事や育児は女性の仕事といった固定的性別役割を家庭内で固定化させた。もう一方外では、女性労働者が結婚すると同時に退職することをなかば強制されてたり、子育てと仕事のどちらをとるという選択を押しつけられてきた。しかし、現代は金のかかるせいかつによって女性労働者化がすすんでいる。
    これらが・・・
    ・社会福祉の変動と発展の原動力について説明しなさい。
    ・日本国憲法の平和的生存権と9条が、国際社会に対してもつ意義について説明しなさい。
    憲法第9条第一項において、国際平和を誠実に希求する志の証として、国権の発動たる戦争等の放棄を掲げていること、また2項において陸海空軍その他の戦力は保持しないという考え方を示していることは、今日では広く国際社会において知られており、その志と理念は、戦禍に苦悩した歴史を真剣に受け止めるという国民の真摯な生き方及び国家の賢明な選択を伝えるものとして、世界で特別評価を獲得するに至っている。
    日本は、数々の国内紛争を抱える国々で武器の回収の支援を行っています。それは、憲法9条を持つ戦争を放棄した国として存在しているからであり、国外への武器輸出を規制する独自の「武器輸出三原則」を持っている国だからである。
    「人間の安全保障」とは、とかく国家中心で人間不在になりがちだった安全保障論に一石を投じ、人間の生存や発達に基礎を置いた新しい安全保障観なのである。
    いまや、常備軍による安全保障ではなく、人間の尊敬に重点を置いた安全保障の発展が求められている。国際社会の...

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