話の聴き方・話のさせ方
~積極的傾聴・カウンセリングマインド~
『入社したその日に退職をしようと思っている人はいない。なぜ辞めていくのか?』
前 提
人の気持ちはわからない。
だからこそ、その人に聴かせてもらうしかない。
そのためには、心構えとテクニックが必要。
心構え
自分の価値観は保留
自分の価値観や先入観に支配されていると、相手の気持ちは分からない。
話を聞けても聴くことはできない。
本当の気持ちを話してくれない。
「でも」「いや」「しかし」は禁物。
<例>
自分の話を聴いてもらいたい時に
話の腰を折られたらどう感じますか?
自分の言いたいことと反対のことを言われたらどう感じますか?
早急な結論は出さない。
受容的態度
肯定的関心を持って相手の話を聴くこと。
無条件に相手を受け止めることが第一歩。
自分自身の気持ちをニュートラルにして、相手の話を受け入れること。そこに「良い」「悪い」などの判断基準が入ると、自分の価値観を出してしまっていることになる。
共感的理解
相手の主観的な見方、感じ方、考え方を、その人のように見たり、感じたり、考えたりすること。
相手がどのような基準で物事を見て、何を感じ、それが当人にとってどんな意味を持っているか理解すること。(相手の価値観を理解すること)
テクニック
視線
凝視しないで自然な視線を相手に向ける。
視線はそらさないようにする。
姿勢
やや前傾姿勢で。
腕組をしない。
うなずき、あいづち
一語か二語の繰り返し
キーワードになるような言葉を繰り返す。
話をしっかり聴いていることが伝わる。
気持ちの言葉の繰り返し
~と感じているんだね ~と思ってるんだ など。
相手は自分の気持ちが分かって貰えていると感じる。
要約
ある程度、話を聴いたところで、そこまでの相手の話を簡単にまとめて話す。
そうすることで、自分の話を分かって貰えていると感じる。
支持
~と思うよ ~だよね など返す。
自分も同じように思っていると伝える。
但し、自分自身が本当に理解し納得できてから
そうすることで、自分のことを分かって貰えていると感じる。
アドバイス
(4)~(7)ができていることが前提。
自分の経験や価値観でアドバイスをする。
自分の話や気持ち、そして自分自身を分かって貰えていると感じているので、アドバイスが頭ではなく気持ちとして理解できる。
話の焦点をずらす
(4)~(7)ができていることが前提。
相手がその時に感じている問題は表面的なものであることが多い。
どうしてそう思うのか?とその問題に焦点を当てると。
…表面的な問題を相手の中で深めてしまうことになる。
少し時間をさかのぼって、前向きに行動し考えていた頃の話を聴く。
どんなときに
常日頃から
関心を持って貰えていると感じるのは嬉しいこと。
立ち話でも、缶コーヒーを飲みながらの2~3分でも。
何かが変わった時
元気がない
遅刻する
ミスをする
休んだ次の日 など
聴く体制づくり
忙しい中でどうするか
忙しい時に「少し良いですか」と言われたらどうしますか?無下に断ってしまったら?
いつでも話を聴くよという姿勢は必要。
積極的に声をかけること。(但し部下からは話しかけにくい)
色々な場面、ツールを使って
休憩時間、行き帰り、雑談の中で …時にはしっかりと話せる状況も作る
メールや携帯電話も使えるツール
傾聴の効果
信頼関係ができる。
胸のうちに溜まったものを吐き出させることで、気持ちがすっきりする。
相手の中で解決すべき問題が分かる。
しっかりと話をすることで、自分の中で整理できる。
自分自身の理解が深まる
周囲に対する新しい見方ができ、それまで自分では納得できなかったことも受け入れるようになる。
相手の気持ちや考え方が分かり、本当の問題が見えてくる
以 上
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