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市場支配を強化している産業独占体は、直接的生産過程における労働者の搾取(独占利潤の第1源泉)、社会的生産過程の中枢を支配し、買い手としては独占的低価格を、売り手としては独占的高価格を強制することによる非独占・中小零細企業の収奪(独占利潤の第2源泉)、消費者の所得の収奪(独占利潤の第3源泉)により、資本を蓄積し、社会的階級を形づくっている。ここでは、資本の蓄積の社会的性格について、独占と中小企業の観点から述べていく。
部門の集積が進んだ独占企業は、原料、部品、生産手段の供給、耐久消費財部門の再生産過程の中枢を掌握することにより、非独占部門・中小企業を副次的に再編していき、価格を独占することにより、中小企業から剰余価値を収奪している。中小企業はその犠牲を、労働者の低賃金・長時間労働に転嫁している。
独占体と中小企業との関係は大きく分けると3つあり、①同一部門での独占・中小企業、②異種部門(代替関係)における独占・中小企業、③生産の垂直的構造における供給・購入関係としての独占・中小企業という3つに分類できる。
①同一部門での独占・中小企業関係は、Aトラスト主導のカルテルに包含される場合...