科目最終試験の解答6題セットです。
テキストを基に作成しました。参考にしてください。
M6106 日本語学概論
【万葉仮名について説明せよ。】
漢字をその本来の意味とは関係なく、その音・訓を借用して表音文字としたものを「万葉仮名」という。
万葉仮名は次の2つに大別される。
①漢字の音を借りた音仮名
②漢字の訓を借りた訓仮名
①音仮名
音仮名は漢字一字で日本語の一音節を表すことが多い。その場合「阿米(雨)」「比登(人)」「波奈(花)」のように字音全体をほとんどそのまま用いるものと、「安米(雨)」「必登り(人)」「半奈(花)」のように字音の韻尾を省略して用いるものとがある。
また音仮名は漢字一字で日本語の二音節を表すことがある。
唇内韻尾のもの…妹見兼鴨(妹見けむかも)
舌内韻尾のもの…念名君(思はなくに)
喉内韻尾のもの…香山(香久山)
その他にも字音の韻尾に母音を加えて二音節として用いたものもある。
②訓仮名
訓仮名は音仮名よりもその用法が多彩である。
一字一音節のもの…八間跡(大和)
一字二音節のもの…夏樫(懐し)
二字一音節のもの…五十日太(いかだ)
二字二音節のもの…恋渡味試(恋渡りなむ)
その他にも戯書といってかなり複雑な使い方をしたものがある。
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