国語科教育法Ⅱ合格レポートです。科目修得試験過去問(H22/1回~H25/2回)付。
国語科教育法Ⅱ
国語教育における各時代が要請する内容について、「読む」・「書く」分野のそれぞれから、その変遷と今後の展望について述べなさい。
〈ポイント〉
1.一期を画した生活綴り方運動の得失について。
2.文学教育に於ける教材観の変遷。
3.説明的文章の歴史と現状。
4.読書教育に於ける複合的指導について。
5.音声言語教育とコミュニケーション文化について。
〈キーワード〉
文学教材の指導課程、説明的文章教材に於ける三読法、読みの交流、表現教育と作文指導、表現指導に於ける三段階
(一)「書く」分野について
書くことの教育、すなわち作文教育の変遷をみると、現在にまで通じる象徴的なものとして「生活綴り方」教育が挙げられる。明治における実用的・形式的な文章教育、大正における雑誌『赤い鳥』創刊による「すなおに書く・ありのままに書くのがよい」といった風潮を経て、昭和四年に雑誌『綴方生活』が刊行された。「生活綴り方」教育とは、表現・綴方による児童の生活指導を目指した作文教育である。戦時中に一旦弾圧されるものの、この作文教育は理論的にも実践的にも成果を上げ、戦後の教育に受け継がれ...