健康科学
第一章 WHOによる健康の定義の意義と限界について
WHOにおける健康の定義は、「完全な肉体的、精神的及び社会福祉の状態であり、単に疾病又は病弱の存在しないことではない」(WHO憲章前文)とされています。
健康とは従来考えられていたように疾病状態の逆数的関係ではなく、肉体、精神、社会の3面からみて良好な状態に置かれていることをいうのであって、そのような健康状態を享有することは人種、宗教、政治形態、経済あるいは社会的条件に関係なくすべての人に対する基本的人権です。また、「健康を国民の基本的人権として規定したこと」「健康を保障することが政府の責任である」としたことなどの点でも企画的な意義を持ちます。
「健康」と言う概念は人々の価値観によって考え方が変化しうるものです。近年の医療技術の急速な進歩や慢性疾患の増加、人々の生活に対する価値観の変化等により、病気や障害を持ちながらも生活している人々が生涯にわたって健康であり得ないことになりかねないことなど、様々な理由からその限界があり、新たな定義の必要性が指摘されています。
第二章 骨粗しょう症について
骨からカルシウムが溶け出し、人体...