設題:「小説神髄」の「緒言」を読み、坪内逍遙が「小説神髄」を執筆するにいたった経緯についてまとめよ。
テキスト:小説神髄(岩波文庫31-004-1)、岩波文庫、坂井健
「小説神髄」の「緒言」を読み、坪内逍遙が「小説神髄」を執筆するにいたった経緯についてまとめよ。
小説神髄は、1886~1886年に書かれた坪内逍遙の小説論である。上巻は原理編であり、人知と文化の発達とともに発展してきた文学の頂点にたつ小説、その小説によって人間の日々の営みや人間模様などを観察するという基本認識を通し、小説の自立と必要を主張した。全5章で構成されており、中心となる章は「小説の主眼」である。「小説の主脳は人情なり、世態風俗これに次ぐ」と記載されており、人間は複雑な心情を持っているものであって、小説では人間のその複雑な心情を書きあらわすべきであると述べている。下巻は技術編となっている。文体、主人公論など、全6章で構成されている。
文学が盛んであった明治時代にあえて書かれたこの作品は、どのような経緯があって書かれたのであろうか。日本文学史の歴史を踏まえながら、坪内逍遙が「小説神髄」を執筆するに至った経緯をまとめる。
日本の文学は古くから盛んに行われており、「源氏物語」、「狭衣物語」、「浜松中納言物語」、「住吉物語」などの名作があり、また一条禅閣の「花鳥余情」などの戯作(戯れに詩...