「法の下の平等について」
人間形成としての教育は、そのすべてが学校現場によって担われるわけではない。しかし学校には、意図的、計画的に子どもたちへ教育を施すという固有の任務がある。教育の目標を達成するために、その教育内容を選択し、組織し、編成したものが「教育課程」である。これは、学校における教育活動の構成を明らかにするものであり、教育基本法や学校教育法などの「法令」および文部科学大臣が「教育課程の基準」として公示する「学習指導要領」に基づいて定められる。また、教育内容を選択、組織する際にその基準をどこに置くか、どのような内容を盛り込み、配列するかということについては、教育課程を支える教育目的や教育観、社会的背景などによっても大きく影響を受ける。
では、教育課程の基準とされる「学習指導要領」はどのような変遷を遂げながら、現在に至っているのだろうか。まず、戦後の教育改革により、戦前の国家主義の解体と民主主義教育へ向けた転換が図られた。そこでは、国家への忠誠心を育むための「修身」にみられたような画一的教育から、教科教育を中心とした、子どもの自発性を重視した教育が目指されることとなった。昭和...