勅法Legesと学説法Iusについて
2011年度 西洋法制史 第一課題
勅法Legesと学説法Iusについて
ローマ帝国ディオクレティニアヌス帝によって東方風の独裁専制君主へと発展した。広大なローマ世界から尊崇される「万物の主にして神」という存在となる。神格化した皇帝は、「法の創造者」「法の解釈者」として機能を独占したことから、人間の作った方の支配を受けるものではないとされ、また、元首の意思が法となるに至り、これを「勅法」と云う。したがって、法の解釈者であることから裁判もすべて皇帝の絶対的・統一的統括権の内容として行われるようになる。
アウグストウス帝以来、通常の訴訟手続であった方法書訴訟と並んで、その例外的措置として、元首自らまたその官吏を通じて統括権の一内容として訴訟当事者の出頭を命じ、事実の審判、裁決を下し、その執行の為に強制力を行使する特別の審理手続きが用いられるようになったが、元首の権力が強大となり、次第に中央集権的な官僚制度を形成していくにつれて、この例外措置であった訴訟手続きが原則的な手続きとなるに至る。元首によって個別的に与えられた指令や採決が一般的効力を有し、立法の代わりになっていく。いわば...