音楽が平安朝物語文学の中で、どのような役割を果たしているか具体的に説明しなさい。
合格C
講評:源氏物語の音楽について、女楽について説明していますが、やや説明不足です。女楽で四人の女性がなぜ、その楽器を担当したのか、光源氏が女三の官に琴を教えるということが何を意味するのか、鈴虫巻での弾琴によって光源氏と女三の官の気持ちはどう揺れ動くのか等、もっと考察を深めてください。
第2課題第1設題
はじめに「源氏物語」とは、紫式部が著した光源氏を主人公とする平安朝物語文学の作品の一つである。物語全体では「琴」、「筝」、「琵琶」、「和琴」、「笛」といった多くの楽器が使用されている。では、これらの楽器が「音楽」として、源氏物語の中でどのような役割を果たしているのだろうか。華やかな女楽の場面がある「若菜下」巻を取り上げて説明する。
源氏47歳の春、朱雀院が五十歳になり、御賀に先立って、六条院での女楽が催される場面がある。
「明石の御方に琵琶、紫の上に和琴、女御の君(承香殿・春宮の母)に筝の御琴、宮には、かくことことしき琴(七絃琴のこと)はまだえ弾きたまはずやと、あやふくて、...