中学生・高校生という時期は人生においてもっとも心身の発達が著しい時期といえる。小学生のころとは明らかに違う自分の身体の変化から、男子も女子も性について意識し学び、自分の存在を見つめる機会が増えてくると考えられる。そして、自分を見つめることは自己の確立につながり、それまで頼っていた親からの自立について考え始め、それまで親(家族)に向いていた心が自然と外の世界へと広がる時期である。また、自立という面でもこの頃多くの生徒を悩ませるのが自らの進路についてである。自己を見つめるだけでなく、将来に関わるさまざまな選択をしなければならず、精神的に成長途中の生徒にはそれらが重くのしかかる。このように、心身ともに不安定な状態にある中高生は対人関係や進路についてひとりひとり違う悩みを抱えている。
こうした生徒の問題解決にあたる教師に求められるのがカウンセリングマインドである。俗に思春期と呼ばれるこの頃の子どもと向き合う教師は、傾聴・受容・共感といったカウンセリングマインドを身につけている必要がある。
まず、カウンセリングマインドとは、教師の児童・生徒に対する、カウンセリングの基本関係・態度を大切にする姿...