科目コード08811 (教科)国語 第2分冊
1 文の成分と構造について
日本語の文における主語の捉え方を考えるにあたり、まず、日本語の文の構成について考えていく。文とは、「言語主体の判断・情意の表現のための、内外のまとまりを保つ最も基礎的な単位体」とされ、文を構成するためには内容と形式を考え、両者をまとめる構造を考えることによって、文が成立する。この文を成立させるために、決まりや規範である文法がある。文法は言語体系全体に関わる決まりであるため、文の法則であると考えられる。この同一の決まりを設けることによって、ことばの送り手も受け手も、表現し理解することができ、自分自身の意思表示を文によって伝達することができることとなる。
文の内容について考えていくと、文を構成させる要素として成分がある。また、文の成分が、文中で成分相互の間で果たす役割を職能という。成分は職能によって、主語・述語・連体修飾語・連用修飾語等、語の名でよばれることが一般化されている。この職能で位置づけられている主語とは、述語に対応する「その文の主体」である。そのため主語は文中における「何が」の部分に当たり、その後の述語へ...