科目コード07802「教育の原理」第2冊分
まず、前近代から近代への教育の歴史的変容について、前近代においての教育、学校の位置づけとは「学校は家庭の価値観の延長線上に社会があるとはみなしておらず、家庭と(世俗的な)社会は場合によっては対立関係にあった」(P104)とされているように、前近代での家庭では多くの機能を負っていたからとされ、学校によってもそれぞれの家庭の価値観や要求によって教育の目的、内容が異なっていた。
しかし近代でのこの家庭のあり方は変わり、前近代の家庭においての機能を家庭に依存することなく、他の集団に移譲するようになった。また学校教育の面において、「近代国家の社会とは世俗的な社会であり、世俗化された社会は教育の世俗化、すなわち我々が普段目にする「公教育」の発達を促すこととなった。」(P103)という形に変え、公教育の普及とともに家庭での機能、教育を学校教育において補完していくということがみられた。また、社会移動の自由度が高い近代社会において、個人の内面の自由を尊重する考え、教育は均一で、公共性のあるものとする考えが生まれ、こうしたことから人格形成において個人の内面の自...