[論文の判例]代理母出産関係の必要判例

閲覧数5,981
ダウンロード数22
履歴確認

    • ページ数 : 34ページ
    • 全体公開

    資料紹介

    代理母出産・代理懐胎に関する論文を執筆するにあたって、最低限必要となる4つの判例です。

    資料の原本内容

    代理母出産関係の必要判例

    判例ID 27002141

    要  旨 1.

    母と非嫡出子間の親子関係は、原則として母の認知をまたず、分娩の事実により当然発生する。

    2.

    母と非嫡出子の親子関係は、母が子を認知したかどうかを確定しないでも、その分娩の事実を認定しただけで、親子関係の存在を確認することができる。

    裁判年月日等 昭和37年 4月27日/最高裁判所第二小法廷/判決/昭和35年(オ)第1189号

    事件名 親子関係存在確認請求上告事件

    裁判結果 棄却

    上訴等 確定

    裁判官 藤田八郎 池田克 河村大助 奥野健一 山田作之助

    審級関係 第一審   昭和34年 1月30日/東京地方裁判所/民事第1部/判決 判例ID:27203227

    控訴審   昭和35年 7月25日/東京高等裁判所/第1民事部/判決 判例ID:27203228

    参照法令 民法779条/人事訴訟法

    出典 最高裁判所民事判例集16巻7号1247頁

    家庭裁判月報14巻8号138頁

    判例評釈 門坂正人・民商法雑誌48巻3号76頁1963年6月

    川崎秀司・家族法判例百選〔別冊ジュリスト12〕88~89頁1967年2月

    人見康子・ジュリスト増刊号223頁1971年12月

    沼辺愛一・家族法判例百選<第3版>〔別冊ジュリスト66〕90~91頁1980年2月

    真船孝允・法曹時報15巻2号54頁1963年2月

    人見康子・ジュリスト増刊号205頁1967年11月

    泉久雄・専修大学論集33号96頁1963年11月

    中川淳・立命館法学47号90頁1963年6月

    川崎秀司・家族法判例百選<新版>〔別冊ジュリスト40〕102~104頁1973年2月

    石井美智子・家族法判例百選<第6版>〔別冊ジュリスト162〕56~57頁2002年5月

    石井美智子・家族法判例百選<第7版>〔別冊ジュリスト193〕58~59頁2008年10月

    良永和隆・民事研修〔みんけん〕627号26~29頁2009年7月



    ■27002141  本文

    最高裁判所第二小法廷

    昭和35年(オ)第1189号

    昭和37年04月27日

    主文

    本件上告を棄却する。

    上告費用は上告人の負担とする。

    理由

     上告代理人敦沢八郎の上告理由について。

     被上告人が上告人を分娩した旨の原審(その引用する第一審判決)の事実認定は、その挙示する証拠に徴し、首肯するに足り、これに所論のような違法は認められない。所論は、ひつきよう、原審の専権に属する証拠の取捨判断、事実の認定を争うこ帰し、採用するをえない。

     なお、附言するに、母とその非嫡出子との間の親子関係は、原則として、母の認知を俟たず、分娩の事実により当然発生すると解するのが相当であるから、被上告人が上告人を認知した事実を確定することなく、その分娩の事実を認定したのみで、その間に親子関係の存在を認めた原判決は正当である。

     よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。

     (裁判長裁判官 藤田八郎 裁判官 池田克 裁判官 河村大助 裁判官 奥野健一 裁判官 山田作之助)
    判例ID 28112152

    要  旨 1.

    一 民事訴訟法118条3号にいう公序良俗に反しないとは、外国裁判所の確定判決の承認により我が国での効力を認め、法秩序に組み込むことで我が国の公序良俗(いわゆる国際私法上の公序であり、渉外性を考慮してもなお譲ることのできない内国の基本的価値、秩序を意味する)に混乱をもたらすことがないことを意味すると解されている。

    二 夫婦X1X2の卵子と精子を用いて実施された代理出産により出生した双子ABの出生届について、(1)X1X2と子ABとは血縁関係を有すること、(2)X2の子宮摘出によりX1X2の遺伝子を受け継ぐ子を得るためには、代理出産以外に方法はなかったこと、(3)本件代理出産契約はX1X2が代理母Cに手数料を支払う有償契約であるが、手数料は子の対価でないことが認められるし、妊娠及び出産のいかなる場面でもCの生命及び身体の安全を最優先としていて、Cが胎児を中絶する権利及び中絶しない権利を有しており、Cの尊厳を侵害する要素を見いだすことはできないこと、(4)子ABの福祉にとっては、X1X2に養育されることが最もその福祉に適うこと、(5)外国でなされた代理懐胎契約が我が国の公序良俗に反するとしても、本件外国の裁判は、本件代理出産契約のみに依拠して親子関係を確定したのではなく、子ABがX1X2と血縁上の親子関係にあるとの事実及び代理母夫妻も子ABをX1X2の子と確定することを望んでいて関係者の間に子ABの親子関係について争いがないことも参酌して、子ABをX1X2の子と確定したのであり、本件外国裁判が公序良俗に反するものではないこと、(6)本件代理出産契約及び本件外国裁判は、我が国の裁判体系にはないものであるため手続的公序の問題もあるが、子が出生する前に裁判所の命令を得なければならないのは、子の福祉に資するからにほかならず、また、実質が公序良俗に反しないから、この限りにおいては承認しうるものと解されることから、民事訴訟法118条の適用ないし類推適用により、外国裁判所の裁判が承認されるから、子ABはX1X2の子であると確認され、本件出生届出も受理されるべきである。

    2.

    一 日本人夫婦X1X2の体外受精卵をアメリカ人女性Aに着床させて代理出産した子について、日本人夫婦を父母とする嫡出子出生届を受理しなかった区長の処分に対する不服申立てを却下した原審判に対する即時抗告審において、民事訴訟法118条の適用ないし類推適用により、X1X2を本件子の法律上の父母とするネバダ州裁判所の裁判(本件裁判)が承認される結果、本件子は、X1X2夫婦の子であると確認され、本件出生届も受理されるべきであるとして、原審判が取り消され、区長に対して本件出生届の受理が命じられた事例。

    二 本件代理出産契約はネバダ州法の規定に従って締結され、ネバダ州裁判所は、X1X2を本件子の血縁上及び法律上の父母であることを確認するとともに、関係機関に対して日本人夫婦を子の両親とする出生証明書を発行すること、州登記官らは前記出生証明書を受理し、記録保管することを命じたのであり、この裁判は民事訴訟法118条所定の外国裁判所の確定判決に該当するものである。

    三 本件代理出産契約に至ったのは、依頼者X2ががんにより子宮摘出手術を受けて自ら懐胎することが不可能になったためであること、Aが代理出産を申し出たのは、ボランティア精神に基づくものであり、動機、目的において不当な要素をうかがうことができないこと、Aは本件子との親子関係を望んでおらず、X1X2は本件子を出生直後から養育しており、今後も実子として養育することを強く望んでおり、代理母を認めることが本件子の福祉を害するおそれはないこと、外国における代理懐胎契約が我が国の公序良俗に反するとしても、本件裁判は本件代理出産契約のみに依拠して親子関係を確定したのではないことなど、本件の具体的事情の下において、ネバダ州裁判所の裁判を承認することは実質的に公序良俗に反しない。

    3.

    アメリカ合衆国ネバダ州第二司法地方裁判所家事部がした「出生証明書及びその他の記録に対する申立人の氏名の記録についての取り決め及び命令」について、民事訴訟法118条所定の要件を満たし、外国裁判所の確定判決として効力を有すると判断した事例。

    4.

    卵子と精子を提供して代理出産を依頼した夫婦と、代理出産により出生した子との親子関係を認めたネバダ州の裁判が、民事訴訟法118条柱書にいう外国裁判所の確定判決に該当するとされた事例。

    5.

    卵子と精子を提供して代理出産を依頼した夫婦と、代理出産により出生した子との親子関係を認めたネバダ州の裁判が、民事訴訟法118条1号の要件を満たすとされた事例。

    6.

    一 夫婦の卵子と精子を用いて実施された代理出産により出生した子の出生届につき、当該夫婦と子との親子関係を認めた米国裁判は民事訴訟法118条の要件を満たすとして、当該出生届を受理すべきことを命じた事例。

    二 卵子と精子を提供して代理出産を依頼した夫婦と、代理出産により出生した子との親子関係を認めたネバダ州の裁判を承認することは、日本国の公序良俗に反しない。

    裁判年月日等 平成18年 9月29日/東京高等裁判所/第17民事部/決定/平成18年(ラ)第27号

    事件名 市町村長の処分に対する不服申立却下審判に対する抗告事件

    裁判結果 取消

    上訴等 許可抗告

    裁判官 南敏文 安藤裕子 生野考司

    審級関係 上告審   平成19年 3月23日/最高裁判所第二小法廷/決定/平成18年(許)第47号 判例ID:28130826

    第一審   平成17年11月30日/東京家庭裁判所/第2部/審判/平成17年(家)第844号 判例ID:28131503

    参照法令 民法/90条/772条/779条/民事訴訟法118条/法例17条/家事審判法23条/人事訴訟法2条

    出典 最高裁判所民事判例集61巻2号671頁

    東京高等裁判所(民事)判決時報57巻1~12号11頁

    家庭裁判月報59巻7号89頁

    訟務月報54巻3号685頁

    判例時報1957号20頁

    判例評釈 法学セミナー52巻1号122頁2007年1月

    早川眞一郎・...

    コメント0件

    コメント追加

    コメントを書込むには会員登録するか、すでに会員の方はログインしてください。