『最新版』 佛教大学通信教育課程の合格済みレポートです。
●図書館で資料を集めてから作成。参考文献も記載しています
●文章構成やレイアウトにも気を配りました。
●設題の意図を正確に捉え簡潔にまとめています。ぜひ参考にしてください。
第2設題 中学三年生の伝統的言語文化の教材として取り上げられている「平泉」(『奥の細道』,松尾芭蕉)の構造と特質について指摘しつつ教材分析を行った上で、学習指導の方向性について言及し、レポートすること。
本論では、まず奥の細道の教材としての意味を考える。そして「平泉」の構造と特質を分析する。そこから、子どもたちが魅力ある古典と出会い、深い学びを誘う古典学習指導の方向性を考える事を目標とする。
1.「奥の細道」を学習する意味
奥の細道は、松尾芭蕉の書いた俳諧紀行文である。元禄二年、俳諧の弟子である曽良を連れ、奥羽から北陸を通り岐阜の大垣までの旅の紀行である。しかし、紀行文とはいえ旅の記録をまとめただけのものではなく、虚構や記事の前後の異動があり、必ずしも事実に忠実な旅行記とはなっていない。芭蕉の理想とする「風雅」の世界が展開されているのである。文体は簡潔な和漢混交文で、効果的に対句が用いられリズミカルなものである。(1)芭蕉の旅の目的は、多くの歌に歌われたり、物語や歴史の本に書かれたりしている名所へ実際に自分の足で立ち、古人の心を肌身に感じることで芭蕉自身の俳諧文芸の道を深めようとい...